かわいいストーカーおばあちゃん

昨日、羽鳥新一アナウンサーの「モーニングショー」で、新種の詐欺の話が上がっていた。感謝されたり必要とされることがなくなり寂しいと感じている、でも時間やお金に余裕のあるシニア世代を狙った詐欺。

 

詐欺に遭った事例として紹介されていたのは、82歳の一人暮らしのおばあちゃん(3年前に夫は施設入所、近所づきあいもあるも暇を持て余す毎日)。ある日1通のメールが届いた。「約束をすっぽかすなんてひどいよ」。やさしいおばあちゃんは「お間違えですよ」と返してあげた。そこから「親切な方。どんな方なんですか?メル友になってください」とやり取りが始まる。

 

身の上相談に乗ってあげ親しくなってきたところで、「苦学生だからもう借りている携帯を返さなくてはいけない。メール代を支払ってもらえませんか?今後はこのサイトに・・・」と誘導し、そこからは雪だるま式に請求金額が跳ね上がり、被害総額は548万円。最終的に見かねた息子が携帯を壊すことで終止符が打たれるが、おばあちゃんは今でもメール相手を助けてあげたと信じているらしい。

 

感謝されたり必要とされたいために誰かを助けようとすること。「救世主症候群」と言うらしい。65歳のシニア世代は要注意という。

 

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心当たりの人がいた。いつも保育園の送迎の際に道、家の前に立っている可愛らしいおばあちゃん。(たぶん70代後半から80代前半ぐらい)急いでいるので挨拶ぐらいしかしないが、おばあちゃんはそれが嬉しそうで、娘を見ては微笑んでいる。

 

たまたま会うだけだと思っていた。保育園の送迎時間が変わって一時期会わなくなったが、しばらくして再び毎日会うようになった。あぁ、これは待たれているなと思った。挨拶されたいんだなと。

 

変なおじさんが毎日立っていたらかなり怖いし、もうそれはストーカーだけど、おばあちゃんはストーカーでありストーカーでない。単純に喋り相手が欲しいんだと感じる。こういうおばあちゃんに、今回紹介されていたような新種の詐欺が降りかかってきたら、ころっといってしまいそうだ。

 

一方で時間を持て余す高齢者がいて、一方で時間も手も足りない子育て世代がいて。なんだかアンバランス。

 

救世主症候群を抱えるシニア世代について私なんかが論じることはできないけれど、でも思うのは、シニアになる準備はお金だけでなく様々な面から必要ということだ。誰しもいつかは年をとる。誰しもいつかは定年を迎える。人生100年の時代にもある。だから、様々なコニュニティを持ったり、自分の食べるものは自分で畑から作ったり、適度な運動をしておいたり。

 

でもまずは、いつものおばあちゃんにいつものように挨拶を続けていこうと思ったのでした。

 

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保育園へ送りにいく出発直前急いで先生へのお手紙を書いている、の図。娘に激写されていた。もっと手早く準備できたらもっとおばあちゃんとも話せるかもしれない。。。