あなたも私も「二時バカ症候群」?
朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに連れて行って
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ
・・・と今日もまた車の中で口ずさむ、宇多田ヒカルと椎名林檎のデュエット曲「二時間だけのバカンス」
毎回聞くので、娘も口ずさむようにしまった(笑)2歳なのに。。。
さて、この「二時間だけのバカンス」。雑誌VERYでは、30代ママがどっぷりはまっていると紹介されていた。その現象を「二時バカ症候群」と呼ぶらしい。
よくわかる気がする。
歌詞だけ見ると不倫の歌ともとられがちだけど、いや違う。そこではない。ママに刺さる理由は次の3つのように思う。
(1)二時間ぐらい自分にかまけていいんだよと背中を押してくれるところ
(2)母は女でもあることを思い出させてくれるところ
(3)「自由である」ことに気づく爽快感
ではなかろうか。
働くママは仕事と家事と育児で毎日100%、フルスピードで駆け抜けても終わらない。長時間労働を背負う日本のパパ達は家事・育児にはあくまで「協力」で、物理的に背負えない。(専業主婦の場合は「家のことはママがやって当然」で週末もフル稼働となってしまう。)
常時ママといる子どもは、お風呂も寝る時も「ママがいいーーー!」
そんなこんなで結局減らないママの負担感。「今は大変だろうけど、頑張ってくれ」。たった一言があれば頑張れそうだけど、長時間労働のパパ達は疲れ果てている。負担感の不均等と気持ちをシェアできない孤独感がニッポンのママを襲う。
もちろん誰も悪くない。近くに実家があればまた状況も変わる。でも核家族が進むのと、共働きが増えるのは同時並行。長時間労働も変化の兆しは見えているがまだ横たわっている。 単純に「手」が足りない。でも、目の前の子どもは待ったなし。
そんな時にこの歌。
ほら車飛ばして 一度きりの人生ですもの
砂の上で頭の奥が痺れるようなキスして
今日は授業サボって 二人きりで公園歩こう
もしかしたら一生忘れられない笑顔僕に向けて
日常に風穴を開けてくれる爽快感がある。想像が広がる。
少し休んでもいいこと、女であること、最終的に自由なこと。
今は余裕はないけれど、いつかは育児も終わる。結末は自分で選びとれる。選べない環境にいるなら、今から選べる努力をしていけばいい。とにかく、わずかにでも自由があるということ。
日本を代表する歌姫が歌い上げる二時間だけのバカンスは、そういう意味で日々フル稼働のママの息抜きソングとなっているのかもしれない。